素朴な美しさを醸し出す六角形のお堂
旧郡上街道の地蔵坂峠にあり、ここを通る旅人の安全を守ってきた地蔵堂です。お堂の板額(元文3年・1738年)によると、応長(おうちょう)元年(1311年)に飛州(飛騨の国)の大工匠頭藤原朝臣宗安が再建したと記されています。建築様式からも、鎌倉時代末期から室町時代初期に建立されたと推定されます。
お堂の平面は六角形で、周囲に縁をめぐらし、柱は円柱、斗組(ますぐみ)は三斗(みつと)、屋根は桧皮葺で、屋根上の露盤(ろばん)や宝珠は後補のものです。内部の柱に天文(てんぶん)年間の墨書の落書きがいくつか見られ、このお堂の古さを立証しています。岐阜県下では他に類を見ない貴重な建造物です。
国指定重要文化財 |